日本のお家芸ともいえる製造業。
それは自動車や精密機器だけでなく機械の分野でもいかんなく力を発揮しています。
この業界で私が投資しているのは3銘柄。
- 6301_コマツ
- 6156_エーワン精密
- 6326_クボタ
これら3社となります。
クボタやコマツはよく本などで紹介されるので有名かもしれませんがエーワン精密はそこまでの知名度があるとは言えないのでしょうか。
この記事ではそれら3社について解説・紹介していく記事となります。
目次
機械業界の特徴
機械業界はそれ単体でセクターを構成している業界で景気敏感株に分類されます。
機械業界は重機械から精密機器まで幅広い製品を製造し、自動車、航空機、製造業、農業など多岐にわたる他の産業の基盤となる製品が含まれます。
より詳細に分類するなら建設・農業・造船・工業に分類できるでしょう。
経済の先行指標として工作機械業界は景気の先行指標とされ、経済活動の動向に敏感に反応します。
技術革新も盛んでAIやIoTの進歩により機械業界は自動化と効率化が進行。
これにより、製品の品質向上や生産コストの削減が期待されています。
当然のことですがグローバルな市場にも進出しようとしていて日本の機械メーカーは、世界中に製品を輸出しており、特に中国やアメリカへの輸出が好調。
仕事の内容が多岐にわたることから人材の多様性ももとめられ研究開発、設計、生産管理、品質管理、営業など、多岐にわたる職種が存在し、それぞれに高度な専門知識とスキルが求められます。
長くなりましたがこれが機械業界の大まかな現状です。
次にこの記事出てて来る各種用語を纏めていきます。
分析する項目・用語解説
続いて私が判断している企業の項目について説明します。
以下の8つ
- 売上高
- EPS
- 営業利益率
- 自己資本比率
- 営業活動によるCF
- 現金等
- 1株あたりの配当金
- 配当性向
その中でも特に営業利益率、自己資本比率、配当性向は最重要視しています。
では、それぞれの用語を解説していきます。
まずは営業利益率について。
営業利益率とは?
まずは営業利益率について
営業利益率とは「売上のうち、営業利益が占める割合」のこと。
営業利益率が高ければ高いほど、儲かるビジネスをやっていると言えるでしょう。
私が求めている成績は5%を超えること。
この根拠は経済産業省が出している企業活動基本調査で普通と優良の境目が5%であるということに起因しています。
自己資本比率とは?
次に自己資本比率について。
「企業が簡単に倒産しないか?」という安全性を判断する値ですが自己資本比率が高いほど、潰れにくい会社だと言えます。
自己資本比率についてもっと詳細に話すと、例えば、手元に現金100万円があると仮定しましょう。
自己資本比率とは、その100万円が「自分で用意したものか」それとも「借りてきたものか」という指標です。
100万円が全額自分で用意したものであれば自己資本比率100%、60%は自社で用意したけれど40%はどこからか借りてきたお金だという場合は自己資本比率が60%となります。
私はこの値だと最低限40%を求めており、60~80%あれば望ましいと考えています。
ちなみに中小企業庁が発行している「2019年版の中小企業白書」によると、自己資本比率40%以上の中小企業が10年以内に潰れる確率は3.5%。
これが私の設定した基準の根拠です。
配当性向とは?
最後に配当性向について。
配当性向とは「今年の利益のうち、何%を株主にキャッシュバックするか?」というもの。
これを見ることにより企業の配当金が無理している値かどうかがわかることでしょう。
配当性向70~80%にまで上り詰めると「そろそろ、今の水準で配当金を出し続けるのは難しいのではないか?」と考え始める数値になります。
イメージとしては「毎月の予算で何%を使い他人への贈り物を買って渡しているのか?」です。
配当性向が70~80%とまでなっているということは、裏を返せば自分のためのお小遣いは20~30%しか残らない状態。
つまり、自社へ自己投資の予算が少なくなってしまうといえるでしょう。
新しい設備を導入したり、新規事業に挑戦するといったことが難しくなってしまうはずです。
私はこの配当性向を30~50%と見ており、60%を超えたら注意、70%を超えると投資には適さないと判断しています。
根拠としては60%を超えた時点で今後配当金を無理してでも出すようになり、企業自体の成長性が鈍化すると考えています。
権利確定月とは?
権利確定月とは株主や配当金を受け取るために必要な株主名簿に掲載される日。
具体的には、株主としての権利が確定する日であり、この日に保有している株数に基づいて優待や配当金の受け取りが行われます。
例えば、2024年8月なら権利確定日は8月30日(金)。
この場合権利付き最終日は8月28日(水)です。
この日以降に株を購入しても当該権利は得られません。
長くなりましたが先述した8項目の内、特に気にしているのが営業利益率、自己資本比率、配当性向。
上記3項目に関して、ある程度妥協はしつつも優先して分析しています。
では3社の成績はどうなのか見ていきましょう。
6301_コマツ
まず1社目に紹介するの6301_コマツ。
コマツは、建設機械や鉱山機械の製造で世界的に有名な機械メーカー。
1921年に創立されており100年以上の歴史を持つ歴史と信頼性を兼ね備えた企業で、長年にわたり、品質と信頼性を追求してきました。
コマツは常に技術革新を重視しており、無人ダンプトラック運行システム(AHS)やICTソリューション「スマートコンストラクション」など、未来的かつ先進的な技術を導入しています。
業界の傾向に漏れず世界中に生産拠点や販売ネットワークを持ち、グローバルに事業を展開に積極的。
特に、アジア、中南米、アフリカなどの戦略市場での売上が大きいです。
最近の傾向からかコマツはサステナビリティを重視し、CO2排出削減やカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを進めています。
現場目線を徹底し、顧客のニーズに応えるためのソリューションを提供するなど顧客サポートも抜群。
研究開発、生産、販売、プロダクトサポートなど、全ての部門が一体となって取り組んでいます。
最後に配当利回りや権利確定月について2024年時点での情報をまとめておきます。
配当権利確定月 | 3月と9月 |
1株当たりの配当金 | 167円 |
配当利回り | 4.04% |
入金される月 | 6月と12月 |
投資する利回りの基準 | 3.25% |
ではコマツの財務状況を見ていきましょう。
営業利益率
まずは営業利益率。
IRバンクに乗っているのは2013年からになります。
12年間で10%を下回ったのは2017年と2021年の2回のみ。
財務優良であると言えます。
自己資本比率
次に自己資本比率。
下限の40%を超えて平均をとると50%。
ここでも財務優良と言えるでしょう。
配当性向
最後に配当性向について。
2010年のみ75%を超えていますがその後は30~40%代で推移。
ここでも財務優良であると言えます。
6301_コマツのまとめ
- 営業利益率、自己資本比率、配当性向全てにおいて優良
- 利回りも良いので日本を代表する銘柄、高配当株と言っても過言ではない
6156_エーワン精密
エーワン精密株式会社は精密機械部品の製造会社。
コレットチャック・ガイドブッシュという固定用器具や切削工具再研磨、自動旋盤用カムというようにあまり聞きなじみのない道具を主力製品としています。
エーワン精密の最も特筆すべき点は納期が極めて短いところ。
通常他社が1週間かかるところを、当日受けた仕事の7割をその日のうちに発送するという圧倒的な短納期を実現しています。
納期が短いから質が悪いということもなくコレットチャックやガイドブッシュなどの製品は高品質で、特にコレットチャックの国内市場占有率は60%。
収益も悪くなく創業以来、経常利益率が約40%という高収益を維持。
そうやって作られた製品類は航空宇宙、産業機器、医療機器などの業界向けに高精度部品を提供しています
最後に配当利回りや権利確定月について2024年時点での情報をまとめておきます。
配当権利確定月 | 6月 |
1株当たりの配当金 | 100円 |
配当利回り | 5.18% |
入金される月 | 9月 |
投資する利回りの基準 | 4.77% |
では、各項目を分析していきましょう。
ちなみに楽天証券だと単元未満株の投資はできないのでそれ以外の証券会社で投資しましょう。
営業利益率
第1に営業利益率。
最低値が10.27%、最高では30%を超えるほどであるエーワン精密の営業利益率。
極めて財務良好な銘柄です。
自己資本比率
第2に自己資本比率。
これも常に90%を超えています
極めて健全な経営をしていると言える数値です。
配当性向
第3に配当性向。
今まで見続けてみてきた数値が極めて高かったので配当性向御いいのではないかと考えた方...残念。
配当性向は極めて高いです
それも2020年を超えたあたりから急激に上昇しています。
配当利回り5%を越えるにはこうするしかないのでしょう。
個人的にはもう少し利回りを下げて愛刀成功を70%いかにしてほしいと考えています。
今は減配等がないので保持していますが2年連続減配ともなればすぐさま売りに出すでしょう。
6156_エーワン精密のまとめ
- 営業利益率及び自己資本比率は極めて良好
- 配当性向は異常に高い、もし2年連続減配となればすぐに売る
6326_クボタ
クボタは農業機械、建設機械、水・環境関連事業を中心に展開している企業。
主力製品は農業機械でありトラクターやコンバイン、田植え機が有名です。
クボタのトラクターは高い耐久性と信頼性で知られ国内外で広く使用されていて、特に小型ディーゼルエンジンのモデルが評価されています。
コンバインは国内シェアNo.1を誇り、効率的な収穫をサポート。
田植機も最先端を進んでおりGPS搭載の自動操縦機能を持つモデルもあり、農業の効率化に貢献しています。
建設機械に関してはミニバックホーだと22年連続でグローバルNo.1の販売台数を誇ります。
ミニバックホー
小型で操作性が良く、都市型工事に適しているからだそうです。
コンパクトトラックローダは北米市場で高い需要があり、住環境の向上に貢献。
最後に水・環境事業ですがダクタイル鉄管なら耐震性に優れた水道管を提供し、国内外の水インフラを支え、環境プラントなら水処理プラントやリサイクルプラントを通じて、持続可能な社会の実現に貢献しています。
異常がコマツの大まかな事業内容です。
最後に配当利回りや権利確定月について2024年時点での情報をまとめておきます。
配当権利確定月 | 12月 |
1株当たりの配当金 | 48円 |
配当利回り | 2.31% |
入金される月 | 3月 |
投資する利回りの基準 | 2.31% |
営業利益率
1つ目には営業利益率。
おおむね10%を推移し最も低くても8%。
財務良好であると言えます。
自己資本比率
次に自己資本比率。
ギリギリながらも下限としている40%を超えていることが多く平均をとると44%。
危ないながらも問題ないと言える段階でしょう
配当性向
最後に配当性向について。
2014~2017年の4年間はIRバンクに情報がなくて割愛。
データがある所のみで判断することになるのですが平均をとるとなんとか30%を超えているくらいです。
対して機械セクターでコマツよりも良い銘柄もそこまでないのでここに関しては妥協するほかないかというように考えています。
6326_クボタのまとめ
- 営業利益率、自己資本比率はおおむね良好。
- 配当性向のみもう少し上げてほしいものの業界内で総合的に見るとよい銘柄である。
まとめ
この記事では機械業界の高配当株を3つ紹介しました。
取り上げた銘柄は
- 6301_コマツ
- 6156_エーワン精密
- 6326_クボタ
これら3社。
特にコマツは全てにおいて財務良好な高配当株投資をする上で候補の筆頭として出てくる銘柄です。
今後ここに追加する銘柄は少ないというように考えています。
投資は絶対に自己責任で行うことを心がけましょう。