おそらく最も多くの人の目につく可能性が高い業界である小売業界。
単一でセクターを構成している小売セクターですが私は2社投資しています。
銘柄名は
- 3172_ティーライフ
- 3382_セブン&アイホールディングス
これら2社です。
この記事では小売業の高配当株2社を解説・紹介していこうと思います。
目次
小売業セクターの特徴
小売業界にはこの記事で紹介するセブン&アイホールディングスの他にファーストリテイリングやイオンなどの有名な企業が多数あります。
おそらく一度は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
小売業界はそれ単一で小売セクターというセクターを構成しています。
業績が景気の影響を受けにくいディフェンシブセクターであると言われており、その理由は景気が良くても悪くても製品が必要な時期に変わりはないから。
ディフェンシブセクターには他にも食料品業界や
医薬品業界などが含まれます。
一方でディフェンシブなセクターということと矛盾するかもしれませんが小売業界は景気敏感セクターでもあります。
景気敏感セクターとは景気の良し悪しや金利の高低に影響されやすいセクター。
小売業界の中でも高級品・嗜好品を販売する百貨店や家電を販売する量販店では景気の良化=売上アップとなるので景気敏感セクターであると考えられているからです。
他にも小売りセクターは円高によるメリットが多数。
海外の輸入品を売っている企業にしてみれば円の価値が高くなる円高だと海外から安く仕入れて日本で高く売ることができるので有利に商売できるため。
反対にこういった企業は円安になると不利になるでしょう。
小売業界は日本の産業においてもトップクラスの市場規模で63兆円とかなり高い水準です。
他にも小売業という業種の中で百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、専門量販店と多岐に分かれていることが面白い点として挙げられるでしょう。
次にこの記事で出てくる各種用語を解説していきます。
分析する項目・用語解説
- 売上高
- EPS
- 営業利益率
- 自己資本比率
- 営業活動によるCF
- 現金等
- 1株あたりの配当金
- 配当性向
これら8つを分析しています。
その中でも特に営業利益率、自己資本比率、配当性向は最重要視しています。
では、それぞれの用語を解説していきます。
まずは営業利益率について。
営業利益率とは?
まずは営業利益率について
営業利益率とは「売上のうち、営業利益が占める割合」のこと。
営業利益率が高ければ高いほど、儲かるビジネスをやっていると言えるでしょう。
私が求めている成績は5%を超えること。
この根拠は経済産業省が出している企業活動基本調査で普通と優良の境目が5%であるということに起因しています。
自己資本比率とは?
次に自己資本比率について。
「企業が簡単に倒産しないか?」という安全性を判断する値ですが自己資本比率が高いほど、潰れにくい会社だと言えます。
自己資本比率についてもっと突っ込んだことを話すと、例えば、手元に現金100万円があると仮定しましょう。
自己資本比率とは、その100万円が「自分で用意したものか」それとも「借りてきたものか」という指標です。
100万円が全額自分で用意したものであれば自己資本比率100%、60%は自社で用意したけれど40%はどこからか借りてきたお金だという場合は自己資本比率が60%となります。
私はこの値だと最低限40%を求めており、60~80%あれば望ましいと考えています。
ちなみに中小企業庁が発行している「2019年版の中小企業白書」によると、自己資本比率40%以上の中小企業が10年以内に潰れる確率は3.5%。
これが私の設定した基準の根拠です。
配当性向とは?
最後に配当性向について。
配当性向とは「今年の利益のうち、何%を株主にキャッシュバックするか?」というもの。
これを見ることにより企業の配当金が無理している値かどうかがわかることでしょう。
配当性向70~80%にまで上り詰めると「そろそろ、今の水準で配当金を出し続けるのは難しいのではないか?」と考え始める数値になります。
イメージとしては「毎月の予算で何%を使い他人への贈り物を買って渡しているのか?」です。
配当性向が70~80%とまでなっているということは、裏を返せば自分のためのお小遣いは20~30%しか残らない状態。
つまり、自社へ自己投資の予算が少なくなってしまうといえるでしょう。
新しい設備を導入したり、新規事業に挑戦するといったことが難しくなってしまうはずです。
私はこの配当性向を30~50%と見ており、60%を超えたら注意、70%を超えると投資には適さないと判断しています。
根拠としては60%を超えた時点で今後配当金を無理してでも出すようになり、企業自体の成長性が鈍化すると考えています。
権利確定月とは?
権利確定月とは株主や配当金を受け取るために必要な株主名簿に掲載される日。
具体的には、株主としての権利が確定する日であり、この日に保有している株数に基づいて優待や配当金の受け取りが行われます。
例えば、2024年8月なら権利確定日は8月30日(金)。
この場合権利付き最終日は8月28日(水)です。
この日以降に株を購入しても当該権利は得られません。
少し長くなりましたがこれがここからが各銘柄の紹介になります、成績はどうなのか見ていきましょう。
3172_ティーライフ
まず1社目に紹介するのは3172_ティーライフ。
年間30万人以上が利用する人気通信販売専売業であり、健康に特化した商品を提供中。
ダイエット効果のある健康茶や体にやさしい健康食品などが人気で顧客のニーズに合った商品を取り揃えているため、多くの利用者を獲得しています。
健康を考えた商品ラインナップも豊富で健康茶、健康食品、化粧品などを取り扱っています。
それぞれ「メタボメ茶」や「まるごとさんかく茶」、「みつまろ」、「優肌の精」と言った商品があります。
自社サイト以外のECモールにも出店しており自社サイトだけでなく、Amazonや楽天などの大手ECモールにも販売経路があるなど多様な購入手段を提供し、より多くの顧客に商品を届けています。
上記の取り組みの一環としてデジタルカタログ「茶んす」を発行しており、商品の魅力を直感的に発信、顧客にとって便利なツールとなっています。
2024年8月時点での配当利回りといった情報は以下の表に書いた通り。
配当権利確定月 | 1月と7月 |
1株当たりの配当金 | 46円 |
配当利回り | 3.68% |
入金される月 | 4月と10月 |
投資する利回りの基準 | 3.62% |
いよいよ各種の成績を記載していきます。
営業利益率
まず取り上げるのは営業利益率。
求める水準である5%を少し下回る時期もありますが平均をとった場合と近似曲線の値はこの10年で5%を下回ることはありませんでした。
今後の動向次第ですが今の水準を維持、もしくは上昇させてくれれば言うことなしです。
自己資本比率
次に重視しているのが自己資本比率。
ティーライフの自己資本比率は以下の表とグラフの通り。
平均をとると70%を超えていて設定した基準を上回っています。
今後もこれくらいで推移してほしいものです。
配当性向
最後に配当性向について。
ティーライフの配送性向は以下のとおり。
配当性向も求める基準内の30~50%で収まっているので投資に適さないという訳ではありません。
一時期60%を超える時もありましたが結果的には安定してくるのでそこまで懸念しなくていいと考えています。
ティーライフのまとめ
- 営業利益率、自己資本比率、配当性向の3要素において全て悪くない水準。
- 配当金減配ということが2025年も続き2年連続減配ということになればすぐに売却。
ちなみに楽天証券でティーライフを単元未満株で投資することはできないので違う証券口座を使うか100株単位で投資することをおススメします。
3382_セブン&アイホールディングス
2社目に紹介するのは3382_セブン&アイホールディングス。
ご存じの通りセブンイレブンを筆頭として総合スーパー、百貨店、レストラン、銀行、ITサービスなどを参加とする総合流通グループ。
- コンビニエンスストア(セブン-イレブン)
- スーパー(イトーヨーカドー)
- 百貨店(そごう・西武)
傘下に様々な業態の企業を置いています
世界19か国に85000店舗、従業員数は16.7万人に上り1日あたりの来客者数は6000万人に匹敵。
プライベートブランド商品であるセブンプレミアムは1兆3800億円にまで達するほど。
正しく日本を代表する小売業者と言えるでしょう。
そのブランド力は非常に強く極めて強く国内外において便利さと商品バリエーションで知られてい。
必然的にグローバル展開にも積極的で海外にも進出しており、特にアジア地域での展開が目立ちます。
今後は高度な物流システムとIT技術を駆使して、 デジタル化を進め、オンライン販売やキャッシュレス決済など、新しいサービスといった効率的な商品供給と顧客サービスを実現していくことでしょう。
配当利回り等のデータは以下の通り
配当権利確定月 | 2月と8月 |
1株当たりの配当金 | 40円 |
配当利回り | 2.39% |
入金される月 | 5月と11月 |
投資する利回りの基準 | 1.76% |
では以下より各種成績の分析に入ります。
営業利益率
まずは営業利益率。
営業利益率に関しては特に言うことはありません。
5%を超えていない年もあるにはありますが平均をとると5%。
また、少しずつ上昇しても来ているのでそろそろ5%を超えてくれるのではないかと期待しています。
自己資本比率
次に自己資本比率。
ここがセブン&アイホールディングスの一番の懸念点かもしれません。
平均を取れば40%となりますが2021~23年の3年間は基準として定めている40%を下回っています。
もしこれが2024年、2025年と連続するようなら売ることも十分にありえることでしょう。
理由としては有形固定資産の取得に充てている資金、もしくは円安によって輸入のために必要な資金が少なくなりその分多額の借り入れをしたため自己資本比率が低くなっている可能性があるのではないかと考えました。
配当性向
最後に配当性向。
一時期は100%を超える年もありましたが近年は30~50%の適正な値に当てはまるようになってきています。
2023年は35.5%、平均は50%とどちらで考えても望ましい数値と言えるでしょう。
セブン&アイホールディングスのまとめ
- 自己資本比率を除きおおむね望ましい数値であるセブン&アイホールディングス。
- 自己資本比率の数値に注視しながら今後の投資を進めていく。
まとめ
この記事では小売業の高配当株を2社紹介しました。
- 3172_ティーライフ
- 3382_セブン&アイホールディングス
これら2社です。
ティーライフは減配したら売却、セブン&アイホールディングスは自己資本比率の数値を見て売却するか投資をするか決めることでしょう。
そして今後も銘柄を入れ替えたり増やしていくことが多いセクターとなりそうです。
最後になりますが投資は自己責任でやるようにしましょう。