高配当株セクターの中でもかなり有名かつ人気があるのがその他金融業。
私はこのセクターで
- 8593_三菱HCキャピタル
- 8697_日本取引所グループ
これら2社に投資をしています。
上記で取り上げた銘柄は有名な物ばかり、おそらく聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
そこでなぜ、投資をしているのかの根拠をこの記事では明示したいと思います。
どの数値を見ているのか、どういった企業なのかわかりやすく解説していきますので投資の参考にぜひしてみてください。
目次
業界の特徴
まずは業界の特徴について。
その他金融業というくくりではいまいちわかりにくいのではないでしょうか?
当然ながら景気敏感セクターです。
属するセクターは銀行を除く金融業、他の業界ですと
保険業や
【MS&ADインシュアランスグループホールディングス】保険業の高配当株【東京海上ホールディングス】 (itoken1524.com)
証券・先物取引業
【SBIホールディングス】証券・商品先物取引業のおススメ高配当株 (itoken1524.com)
これらの業界が含まれます。
分類としては金融業界の一部で、銀行、証券、損害保険、ローン・消費者金融、クレジットカード、リースなどに分割されます。
特に幅を利かせているのはリース業でしょう。
リース業とは、利用者に対して器具や設備などの物件を長期的(半年~10年程度)に貸し出しするサービスのこと。
メリットとしては、料金を分割できるため大きな元手資金が必要ない、利用者は必要な期間だけ機械や設備を利用し更新やアップグレードが可能であるこういった利点が挙げられます。
リース業界は企業の設備投資に連動しており景気の動向に左右されやすいです
他の仕事のに関してだと具体的には、
- 銀行等の預金取扱機関
- 貸金業等の非預金信用機関
- 金融商品取引業
- 商品先物取引業
これらの業務内容があります。
では次にこの記事で出てくる各種用語を解説していきます。
分析する項目・用語解説
続いて私が判断している企業の項目について説明します。
以下の8つ
- 売上高
- EPS
- 営業利益率
- 自己資本比率
- 営業活動によるCF
- 現金等
- 1株あたりの配当金
- 配当性向
その中でも特に営業利益率、自己資本比率、配当性向は最重要視しています。
では、それぞれの用語を解説していきます。
まずは営業利益率について。
営業利益率とは?
まずは営業利益率について
営業利益率とは「売上のうち、営業利益が占める割合」のこと。
営業利益率が高ければ高いほど、儲かるビジネスをやっていると言えるでしょう。
私が求めている成績は5%を超えること。
この根拠は経済産業省が出している企業活動基本調査で普通と優良の境目が5%であるということに起因しています。
自己資本比率とは?
次に自己資本比率について。
「企業が簡単に倒産しないか?」という安全性を判断する値ですが自己資本比率が高いほど、潰れにくい会社だと言えます。
より詳しく説明すると例えば、手元に現金100万円があると仮定しましょう。
自己資本比率とは、その100万円が「自分で用意したものか」それとも「借りてきたものか」という指標です。
100万円が全額自分で用意したものであれば自己資本比率100%、60%は自社で用意したけれど40%はどこからか借りてきたお金だという場合は自己資本比率が60%となります。
私はこの値だと最低限40%を求めており、60~80%あれば望ましいと考えています。
ちなみに中小企業庁が発行している「2019年版の中小企業白書」によると、自己資本比率40%以上の中小企業が10年以内に潰れる確率は3.5%。
これが私の設定した基準の根拠です。
配当性向とは?
最後に配当性向について。
配当性向とは「今年の利益のうち、何%を株主にキャッシュバックするか?」というもの。
これを見ることにより企業の配当金が無理している値かどうかがわかることでしょう。
配当性向70~80%にまで上り詰めると「そろそろ、今の水準で配当金を出し続けるのは難しいのではないか?」と考え始める数値になります。
イメージとしては「毎月の予算で何%を使い他人への贈り物を買って渡しているのか?」です。
配当性向が70~80%とまでなっているということは、裏を返せば自分のためのお小遣いは20~30%しか残らない状態。
つまり、自社へ自己投資の予算が少なくなってしまうといえるでしょう。
新しい設備を導入したり、新規事業に挑戦するといったことが難しくなってしまうはずです。
私はこの配当性向を30~50%と見ており、60%を超えたら注意、70%を超えると投資には適さないと判断しています。
根拠としては60%を超えた時点で今後配当金を無理してでも出すようになり、企業自体の成長性が鈍化すると考えています。
権利確定月とは?
権利確定月とは株主や配当金を受け取るために必要な株主名簿に掲載される日。
具体的には、株主としての権利が確定する日であり、この日に保有している株数に基づいて優待や配当金の受け取りが行われます。
例えば、2024年8月なら権利確定日は8月30日(金)。
この場合権利付き最終日は8月28日(水)です。
この日以降に株を購入しても当該権利は得られません。
長くなりましたが先述した8項目の内、特に気にしているのが営業利益率、自己資本比率、配当性向。
上記3項目に関して、ある程度妥協はしつつも優先して分析しています。
では2社の成績はどうなのか見ていきましょう。
8593_三菱HCキャピタル
まず紹介しるのは8593_三菱HCキャピタル。
日本の大手金融サービスグループです。
リース、ファイナンス、投資関連のサービスを提供しています。
まず着目すべきは広範な業務領域。
先述したようにリース業務、ファイナンス、投資、融資、資産管理など、幅広い金融サービスを提供しています。
これは企業向けののものだけではなく、個人向けのサービスも展開。
三菱グループの一員として、国内外に多くの拠点を持ち、国際的なビジネスを活用していたり、高い信用力を持っています。
特に後者は顧客に対して安定したサービス提供や信頼性の高い金融商品を提供する上での大きなメリットとなっているでしょう。
デジタル技術やデータ解析を活用した革新的な金融商品やサービスの提供にも力を入れるなど保守的なわけではなく顧客のニーズに応じた柔軟で効率的なソリューションを提供。
環境への配慮や社会的責任を重視し、持続可能なビジネスモデルの構築を目指しています。環境に優しいリース商品の提供や、CSR活動にも積極的に取り組んでいます。
最後に配当利回りや権利確定月について2024年時点での情報をまとめておきます。
配当権利確定月 | 3月と9月 |
1株当たりの配当金 | 40円 |
配当利回り | 3.82% |
入金される月 | 6月と12月 |
投資する利回りの基準 | 3.45% |
では業績を見ていきましょう。
営業利益率
まずは営業利益率。
2010年こそ低いもののその後は5%を超えることが常です。
安心して投資できるでしょう。
自己資本比率
次に自己資本比率。
業務柄仕方がないことなのかもしれませんが10%代とかなり低いです。
考察の理由として3つの考えがあります。
まずは三菱HCキャピタルがリース会社であるということ。
顧客の代わりに製品を購入し、その製品をリースするというビジネスモデルである以上製品購入のための資金を銀行から借り入れる必要があります。
結果として他人からお金を借りてくる必要が出てきてしまい自己資本比率が低くなってしまうのでしょう。
ほかにも三菱HCキャピタルは多額の有利子負債を抱えており、これが自己資本比率の低さに寄与しているということも考えられるはずです。
更には季節的なことかもしれませんがコロナ禍の影響で設備投資が抑えられたことも、自己資本比率の低下に影響を与えていると考えています。
とはいえ、その他金融業は自己資本比率が低い企業が多いです。
低い中でもまだましということで投資することを決めました。
配当性向
最後に配当性向について。
2010年代前半から中盤は10~20%代と低めです。
しかし2019年から少しずつ上昇してきており2020年代に入ると40%代へと上昇しています。
この値なら問題なく投資し続けることができます。
8593_三菱HCキャピタルのまとめ
- 営業利益率、配当性向は投資しても良いと思える水準
- 自己資本比率のみ10%代と低いものの業界的に見れば申し分ない水準である
8697_日本取引所グループ
2社目に紹介するのは8697_日本取引所グループ(JPX)。
日本の金融市場の中核を担う取引所グループです。
JPXは、東京証券取引所(東証)、大阪取引所(OSE)、東京商品取引所(TOCOM)などを多様な取引所を運営しています。
これにより、株式、債券、先物、オプションなど多様な金融商品が取引されています。
次にJPXは、上場企業の情報開示や取引の公正性を監視し、市場の透明性と信頼性を高めるための自主規制も実行。
当然のことですが国際的な金融市場との連携を強化し、海外投資家に対しても魅力的な市場を提供しています。
それが顕著なのは大阪取引所で夜間取引も行われほぼ24時間取引が可能なことからわかるはずです。
投資が一般的になるにつれて最新の技術を導入し、取引システムの効率化や利用者の利便性向上に努め、これにより、迅速かつ安全な取引が可能となっています。
利用者を増やすために、金融リテラシー向上のためのセミナーやイベントを開催し、一般の人々に金融市場の重要性を伝える活動も行っているようです。
最後に配当利回りや権利確定月について2024年時点での情報をまとめておきます。
配当権利確定月 | 3月と9月 |
1株当たりの配当金 | 62円 |
配当利回り | 1.84% |
入金される月 | 6月と12月 |
投資する利回りの基準 | 2.21% |
では、各業績を見ていきましょう。
営業利益率
まずは営業利益率。
営業利益率は50%代が10年以上続いています。
安心できる数値であると言えます。
自己資本比率
次に自己資本比率。
1つ前に紹介した三菱HCキャピタルと同じですが明確に低く1%にも到達しなくなっています。
こうなる原因としては事業運営のために比較的高いレバレッジを利用することがあるため、結果的に自己資本比率が低くなってしまう、このような理由を考えています。
他には取引所の収益は、市場の動向や取引量に大きく依存している企業であるため市場が低迷していると収益が減少し、その結果として自己資本比率が低くなることも。
さらには、事業拡張や技術投資のために資本を投じることがあります。
これだと短期的には自己資本比率が低くなることがありますが、長期的にはこれらの投資が利益を生むことを期待しているためにしていることです。
配当性向
最後に配当性向について。
日本取引所の場合配当性向は70%代とかなり高いです。
高い理由は、株主への利益還元を重要な経営課題と認識しているためです。
財務の健全性や市場の競争力強化に向けた投資機会を考慮しつつ、業績に応じた配当を実施することを基本方針としていることが原因でしょう。
具体的には、配当性向を60%程度とすることを目標としています。
私からしてみればこれでも高いくらいですが。
8967_日本取引所グループのまとめ
- 営業利益率は悪くない数値
- 自己資本比率は低すぎ、配当性向は高すぎ
- 株主へと還元する意識はあるものの2024年は前年と比較して減配している
一見すると配当利回りも低く業績も不安定なところが多い日本取引所グループ。
それを補って余りある営業利益率に他の企業が介入不可能な独占企業という側面も持っています。
2024年時点ではあまり業績が良くないかもしれませんが長期的に見ればよい銘柄であると言えるはずです。
まとめ
この記事ではその他金融業の高配当株として
- 8593_三菱HCキャピタル
- 8697_日本取引所グループ
これら2社を紹介しました。
金融業は景気敏感株ということや業績が不安定ということもあり安定した業績の銘柄に投資するということは難しいかもしれません。
しかし、その中でも特に業績の良い銘柄を選定しました。
私も定期的に、投資適格な段階となったら投資しています。
投資は絶対に自己責任で行うことを心がけましょう。