いまやインフラの一つとしてなくてはならない通販。
それらを統括・管理しているといっても過言ではないのが倉庫・運輸関連業です。
当然この業界にも高配当株は存在します。
私が投資しているのは
- 9303_住友倉庫
- 9301_三菱倉庫
- 9381_エーアイティー
これら3社です。
どういった数値を見ているのか、どういった分析をしているのか参考にしてみてください。
目次
倉庫・運輸関連業の特徴
まずは倉庫・運輸関連業の特徴を説明します。
TOPIX-17シリーズでは運輸・物流セクターに該当します。
他に含まれる業界としては陸運業
【南総通運】陸運業のおススメ高配当株【センコーグループホールディングス】 (itoken1524.com)
海運業
【日本郵船】海運業の高配当株 (itoken1524.com)
空運業
【アジア航測】空運業のおススメ高配当株 (itoken1524.com)
同じです。
どちらかと言えばディフェンシブなセクター、景気に左右されにくいと言えます。
今や生活になくてはならないくらいにまで発展した通販や物流。
景気が悪くなってもそれらを使わないというのは難しくなっているからでしょう。
倉庫業は当然ですが保管機能が最も大切な役割を担います。
倉庫は、商品を一時的に保管する場所として機能し、需要と供給のタイミングのズレを調整し効率的な物流を実現することに成功しました。
倉庫の種類にもたくさんあり 一般的な建屋型の倉庫から、定温倉庫、危険品倉庫、保税蔵倉庫など様々。
サービスも広がりを見せており倉庫業では、検品、入庫、流通加工、ピッキング、仕分け、出庫など、多岐にわたるサービスが提供されています。
運輸業としてはこちらも当然ですが輸配送機能が第一。
運輸業は、商品をA地点からB地点に運ぶ「一次輸送」と、近距離の複数個所に対する「二次輸送」に分かれます。
輸送・配送のコストは、物流全体の費用の約6割を占め、トラック、鉄道、航空機、船舶など、様々な輸送手段が利用されていることでしょう。
現状と課題としてはECサイトの急成長によりインターネットショッピングが普及、物流倉庫の需要が大幅に増加していることと、
倉庫業界では、効率化とデジタル化が進んでおり、ロケーション管理や在庫管理のシステム化が重要視されています。
2025年問題については聞いたことがあるのではないでしょうか?
倉庫・運輸関連業は、私たちの生活を支える重要なインフラであり、今後もその役割はますます重要になっていくはずです。
では次にこの記事で出てくる用語を纏めていきます。
分析する項目・用語解説
続いて私が判断している企業の項目について説明します。
以下の8つ
- 売上高
- EPS
- 営業利益率
- 自己資本比率
- 営業活動によるCF
- 現金等
- 1株あたりの配当金
- 配当性向
その中でも特に営業利益率、自己資本比率、配当性向は最重要視しています。
では、それぞれの用語を解説していきます。
まずは営業利益率について。
営業利益率とは?
まずは営業利益率について
営業利益率とは「売上のうち、営業利益が占める割合」のこと。
営業利益率が高ければ高いほど、儲かるビジネスをやっていると言えるでしょう。
私が求めている成績は5%を超えること。
この根拠は経済産業省が出している企業活動基本調査で普通と優良の境目が5%であるということに起因しています。
自己資本比率とは?
次に自己資本比率について。
「企業が簡単に倒産しないか?」という安全性を判断する値ですが自己資本比率が高いほど、潰れにくい会社だと言えます。
自己資本比率についてもっと突っ込んだことを話すと、例えば、手元に現金100万円があると仮定しましょう。
自己資本比率とは、その100万円が「自分で用意したものか」それとも「借りてきたものか」という指標です。
100万円が全額自分で用意したものであれば自己資本比率100%、60%は自社で用意したけれど40%はどこからか借りてきたお金だという場合は自己資本比率が60%となります。
私はこの値だと最低限40%を求めており、60~80%あれば望ましいと考えています。
ちなみに中小企業庁が発行している「2019年版の中小企業白書」によると、自己資本比率40%以上の中小企業が10年以内に潰れる確率は3.5%。
これが私の設定した基準の根拠です。
配当性向とは?
最後に配当性向について。
配当性向とは「今年の利益のうち、何%を株主にキャッシュバックするか?」というもの。
これを見ることにより企業の配当金が無理している値かどうかがわかることでしょう。
配当性向70~80%にまで上り詰めると「そろそろ、今の水準で配当金を出し続けるのは難しいのではないか?」と考え始める数値になります。
イメージとしては「毎月の予算で何%を使い他人への贈り物を買って渡しているのか?」です。
配当性向が70~80%とまでなっているということは、裏を返せば自分のためのお小遣いは20~30%しか残らない状態。
つまり、自社へ自己投資の予算が少なくなってしまうといえるでしょう。
新しい設備を導入したり、新規事業に挑戦するといったことが難しくなってしまうはずです。
私はこの配当性向を30~50%と見ており、60%を超えたら注意、70%を超えると投資には適さないと判断しています。
根拠としては60%を超えた時点で今後配当金を無理してでも出すようになり、企業自体の成長性が鈍化すると考えています。
権利確定月とは?
権利確定月とは株主や配当金を受け取るために必要な株主名簿に掲載される日。
具体的には、株主としての権利が確定する日であり、この日に保有している株数に基づいて優待や配当金の受け取りが行われます。
例えば、2024年8月なら権利確定日は8月30日(金)。
この場合権利付き最終日は8月28日(水)です。
この日以降に株を購入しても当該権利は得られません。
最後に配当利回りや権利確定月について2024年時点での情報をまとめておきます。
9303_住友倉庫
1社目の企業は9303_住友倉庫。
社名の通り住友グループの一角にして倉庫、港湾運送、国際輸送などの物流事業、船舶運航事業を中心とした海運事業ならびに都市部の所有地を活用した不動産賃貸事業を営んでいます。
物流業界で多角的なビジネス展開を行っている企業でもあり高度な物流システムを保有していることが第一に挙げられるでしょう。
住友倉庫は、輸送と保管だけでなく、物流情報の管理や加工、クライアントへのフィードバックなど、多彩な付加価値を提供。
他にも先述した通りグローバルネットワークの構築にも勤しんでおり世界中に広がる拠点を活用し、タイムリーな貨物のハンドリングを行っています。
輸送や保管といったメインの事業以外にも不動産事業をサブとして備えており広大な倉庫用地を活用し、オフィスビルや商業施設、賃貸マンションなどの開発を行っていることも見ておくべきでしょう。
倉庫事業だけでなく、港湾運送、国際輸送、不動産事業など多角的な事業展開を手掛けていると言えるはずです。
もちろんIT物流サービスを業界に先駆けて導入し、在庫管理や貨物トレースシステムを提供していることも忘れてはいけません。
最後に配当利回りや権利確定月について2024年時点での情報をまとめておきます。
配当権利確定月 | 3月と9月 |
1株当たりの配当金 | 101円 |
配当利回り | 3.71% |
入金される月 | 6月と12月 |
投資する利回りの基準 | 3.97% |
営業利益率
まず見ていく数値は営業利益率。
15年間で営業利益率の下限としている5%を超えている年は14年。
唯一超えていない2019年も5%に迫る値です。
平均をとると6.925%。
問題ない数値と言えるでしょう。
自己資本比率
続いて自己資本比率について。
40%を超えていてなおかつ右肩上がりで成長中。
60%に到達しそうなことから問題ないと考えています。
配当性向
配当性向に関しては30%から50%の間を推移することが多いです。
50%を超えてしまうこともありますが限界とする70%までは到達していないので今後もこの水準を維持してくれることを望みます。
9303_住友倉庫のまとめ
- 営業履歴率、自己資本比率、配当性向全てにおいて問題なし。
- 利回りも株価もかなり良好だから財閥住友グループ系の企業は伊達ではないことがわかる。
9301_三菱倉庫
2社目に紹介するのは9301_三菱倉庫。
創業した時期はかなり古く150年前の1887年に創業した歴史ある企業
主に物流と不動産事業を展開しています。
三菱倉庫は日本における医薬品物流の先駆者であり、1983年から医薬品物流の3PL事業を開始。
多くの国内外の医薬品メーカーと提携し、信頼性の高い物流サービスを提供していると言えるでしょう。
他にも、三菱倉庫は他の大手倉庫会社と比べて不動産事業の比率が高いことが特徴。
2021年3月期では、本来の倉庫業ではない不動産事業の比率は17%に達しています。
医薬品物流で培ったノウハウを食品物流へ上手く転化していることも着目するべきポイント。
正確なロット管理や定温物流などの技術が使われており駆使して品質の高い物流サービスを提供しています。
懸念点としては国際物流分野において港湾運送や国際運送の売上が減少しているため、今後の成長戦略が課題となっていることでしょう。
最後に配当利回りや権利確定月について2024年時点での情報をまとめておきます。
配当権利確定月 | 3月と9月 |
1株当たりの配当金 | 160円 |
配当利回り | 3.47% |
入金される月 | 6月と12月 |
投資する利回りの基準 | 2.26% |
では、各項目を分析していきましょう。
営業利益率
1つ目に営業利益率。
10年以上5%を超えているものの10%にまで到達はしていません。
とはいえ、望ましい値であることには変わりないので今後問この水準を維持してほしいものです。
自己資本比率
2つ目に自己資本比率。
この数値もかなり良好です。
50%台後半から60%台前半を行き来しているので今の変わらずこの水準を維持してくれることを望みます。
配当性向
最後に配当性向について。
こればかりはどうにも安定しません。
どちらかと言えば30%に到達していないなど低い方に悪い三菱倉庫の配当性向。
企業の成長にお金を回していると考えています。
一方で30%を超える年もあるので一概に悪い・低いと言い切ることはできません。
今後は安定して30%を超えるようになってほしいです。
9301_三菱倉庫のまとめ
- 営業利益率、自己資本比率は申し分なし。
- 配当性向は悪いものの、ずっと低いわけではなく良い年もある。今後もう少し数値を上げてほしい。
9381_エーアイティー
3社目に紹介するのは9381_エーアイティー。
主に中国や東南アジアを中心に物流サービスを提供する企業、
海上輸送、航空輸送、通関業務、国内配送など、出荷から納品まで広範な物流サービスを提供。
コスト効率にも気を配っており年間24万3千本のコンテナ取り扱い実績を持ち、効率的な輸送コストの低減を実現しています。
もちろんきめ細やかなサービスと高品質の物流を提供し、顧客の信頼を得ていることや北米やアジアを含む広範なネットワークを活用し、国際物流を強力にサポートしていることも知っておくべきです。
最後に配当利回りや権利確定月について2024年時点での情報をまとめておきます。
配当権利確定月 | 2月と8月 |
1株当たりの配当金 | 80円 |
配当利回り | 4.70% |
入金される月 | 5月と1月 |
投資する利回りの基準 | 4.54% |
ではエーアイティーの成績はどうなのか見ていきましょう。
営業利益率
まずは営業利益率。
基本的に5%を超えているときがほとんど。
2020年だけ、3.5%と5%を下回っていますがその後すぐに回復。
安定しているので今後も期待できそうです。
自己資本比率
次に自己資本比率について。
これも2020年が最低の値ですがそれでも約55%。
下限を上回っていますので安心して投資ができます。
配当性向
最後に配当性向について。
2015年のみ唯一100%を超えていますが、その後は50%代後半から60%第前半と推移。
若干高いという気がしなくもないですがそれでも70%よりは低いので適性ではあるというように考えています。
9381_エーアイティーのまとめ
- 営業利益率、自己資本比率はかなり良好
- 配当性向のみ少し高い気がしなくもないが設定した基準値以下なので投資する
まとめ
この記事では倉庫・運輸業の高配当株として3社、
- 9303_住友倉庫
- 9301_三菱倉庫
- 9381_エーアイティー
紹介しました。
倉庫・運輸関連業としてディフェンシブなセクターでもあるこの業界。
やはり三井、住友といった財閥系の企業は強いということがわかります。
そして、優良銘柄も多数。
ぜひ投資の参考にしてみてほしいのですが投資は絶対に自己責任で行うことを心がけましょう。