いまや世界においてなくてはならない流通システム。
道路や鉄道などを利用して物資や人を輸送し便利な生活を支えているのが陸運業です。
私はこの業界において
- 9034_南総通運
この会社に投資をしています。
どの数値を見ているのか、どういった分析をしているのか参考にしてみてください。
目次
業界の特徴
最初に陸運業の特徴についてまとめていきます。
属するセクターは運輸・物流です。
同一セクターには
海運業
【日本郵船】海運業の高配当株 (itoken1524.com)
空運業
【アジア航測】空運業のおススメ高配当株 (itoken1524.com)
倉庫・運輸関連業
【住友倉庫】倉庫・運輸関連業のおススメ高配当株【三菱倉庫】 (itoken1524.com)
などが含まれます
まず考えるべきは輸送手段の多様性。
トラック輸送や鉄道輸送などその手段は様々です。
トラックは比較的短距離や中距離の輸送に適しており、柔軟な配送が可能で一般貨物から冷凍・冷蔵品まで幅広く対応、
他にも最後の一マイル(ラストマイル)配送、つまり直接手渡しをするときになって重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
鉄道輸送は大量の貨物を長距離輸送するのに適しており、効率的で安定した輸送が可能で主に工業製品や原材料の輸送に利用されます。
問題点としては規制と法令。
各国や地域で異なる交通法規や運輸関連の規制があり、運行に関するルールや安全基準を、環境への配慮として排出ガス規制などを守る必要があります
運行管理と効率化も叫ばれており運行スケジュールの管理や交通渋滞の影響を受けるため、効率的なルート計画や運行管理が求められます。
テクノロジーの進化により、GPSや物流管理システムを活用して効率的な運行が進められているようです。
そしてなんと言っても労働条件と人材不足は避けては通れない問題。
ドライバーや運行管理者の労働条件や人材不足が課題となっています。
長時間労働や低賃金、過酷な勤務条件が影響しており、業界全体での改善が求められています。
長くなりましたがこれが陸運業の概観です
次にこの記事で出てくる用語を纏めていきます。
分析する項目・用語解説
続いて私が判断している企業の項目について説明します。
以下の8つ
- 売上高
- EPS
- 営業利益率
- 自己資本比率
- 営業活動によるCF
- 現金等
- 1株あたりの配当金
- 配当性向
その中でも特に営業利益率、自己資本比率、配当性向は最重要視しています。
では、それぞれの用語を解説していきます。
まずは営業利益率について。
営業利益率とは?
まずは営業利益率について
営業利益率とは「売上のうち、営業利益が占める割合」のこと。
営業利益率が高ければ高いほど、儲かるビジネスをやっていると言えるでしょう。
私が求めている成績は5%を超えること。
この根拠は経済産業省が出している企業活動基本調査で普通と優良の境目が5%であるということに起因しています。
自己資本比率とは?
次に自己資本比率について。
「企業が簡単に倒産しないか?」という安全性を判断する値ですが自己資本比率が高いほど、潰れにくい会社だと言えます。
より詳しく説明すると例えば、手元に現金100万円があると仮定しましょう。
自己資本比率とは、その100万円が「自分で用意したものか」それとも「借りてきたものか」という指標です。
100万円が全額自分で用意したものであれば自己資本比率100%、60%は自社で用意したけれど40%はどこからか借りてきたお金だという場合は自己資本比率が60%となります。
私はこの値だと最低限40%を求めており、60~80%あれば望ましいと考えています。
ちなみに中小企業庁が発行している「2019年版の中小企業白書」によると、自己資本比率40%以上の中小企業が10年以内に潰れる確率は3.5%。
これが私の設定した基準の根拠です。
配当性向とは?
最後に配当性向について。
配当性向とは「今年の利益のうち、何%を株主にキャッシュバックするか?」というもの。
これを見ることにより企業の配当金が無理している値かどうかがわかることでしょう。
配当性向70~80%にまで上り詰めると「そろそろ、今の水準で配当金を出し続けるのは難しいのではないか?」と考え始める数値になります。
イメージとしては「毎月の予算で何%を使い他人への贈り物を買って渡しているのか?」です。
配当性向が70~80%とまでなっているということは、裏を返せば自分のためのお小遣いは20~30%しか残らない状態。
つまり、自社へ自己投資の予算が少なくなってしまうといえるでしょう。
新しい設備を導入したり、新規事業に挑戦するといったことが難しくなってしまうはずです。
私はこの配当性向を30~50%と見ており、60%を超えたら注意、70%を超えると投資には適さないと判断しています。
根拠としては60%を超えた時点で今後配当金を無理してでも出すようになり、企業自体の成長性が鈍化すると考えています。
権利確定月とは?
権利確定月とは株主や配当金を受け取るために必要な株主名簿に掲載される日。
具体的には、株主としての権利が確定する日であり、この日に保有している株数に基づいて優待や配当金の受け取りが行われます。
例えば、2024年8月なら権利確定日は8月30日(金)。
この場合権利付き最終日は8月28日(水)です。
この日以降に株を購入しても当該権利は得られません。
長くなりましたが先述した8項目の内、特に気にしているのが営業利益率、自己資本比率、配当性向。
上記3項目に関して、ある程度妥協はしつつも優先して分析しています。
では2社の成績はどうなのか見ていきましょう。
9034_南総通運
まず紹介するのは9034_南総通運。
千葉県を本拠地とする企業です。
まずは多様な輸送サービスを持っていることが特徴として挙げられます。
一般貨物輸送では主にトラックを利用して全国にわたる一般貨物の輸送を行い顧客のニーズに応じた柔軟なサービスを提供、安定した輸送網を築いています。
冷蔵・冷凍輸送では温度管理が必要な商品や生鮮食品などの輸送にも対応し品質を保つための冷蔵・冷凍設備を整えています。
主に関東地方を中心に、地域に密着した物流サービスを展開しており、地元の企業や顧客との信頼関係を重視。
地域に特化した情報提供や対応が強みです。
課題とされている運行管理と効率化に関しては最新の物流管理システムを導入しており、運行スケジュールの管理やルート最適化を行っています。
もう一つの課題とされている人材育成と労働環境についてはドライバーやスタッフの労働環境改善や人材育成に力を入れており、働きやすい職場作りに努めています。
キャリアアップの機会を提供し、従業員のモチベーション向上を図っているようです。
最後に配当利回りや権利確定月について2024年時点での情報をまとめておきます。
配当権利確定月 | 3月と9月 |
1株当たりの配当金 | 46円 |
配当利回り | 4.44% |
入金される月 | 6月と12月 |
投資する利回りの基準 | 3.6% |
では、各社の成績を見ていきましょう。
営業利益率
まずは営業利益率。
2010年に入ってから10%を超えることがほとんどで急激に落ちるようなことはありません。
財務優良と言っていいでしょう。
自己資本比率
つぎに自己資本比率。
こちらも毎年良くなり続け右肩上がりといった状況です。
平均すると約60%。
安定していると言っていでしょう。
配当性向
最後に配当性向。
今までよかったのですがこの項目だけ低いです。
再投資を優先することで企業が利益の多くを再投資に回し、成長戦略や設備投資、研究開発などに資金を振り分ける場合があります。
もしくは、企業が安定したキャッシュフローを確保するために、配当性向を低く抑えることがあります。
何らかの理由から配当性向が低く設定されているのかもしれません。
しかし年々配当性向は上がってきており配当金も増配しています。
株主還元の意識が変わってきているようです。
このままいけば30%代に行くこともあり得ると思います。
9034_南総通運のまとめ
- 営業利益率、自己資本比率は良好
- 配当性向のみ低いものの年々増配をしている傾向があるため30%代にまで到達することも十分にあり得る
まとめ
この記事では陸運業の高配当株として9034_南総通運を紹介しました。
いまは割高かつ配当利回りも低いので投資できていませんが9064_大和ホールディングスや9072_ニッコンホールディングスも投資の候補として考えています。
他にもセンコーグループホールディングスという銘柄も候補としてありましたが業績が悪いので売りました。
自身のポートフォリオとしてはかなり薄いセクターですが今後強化していく方針です。
投資は絶対に自己責任で行うことを心がけましょう。