高配当株が多く配当利回りも高い銘柄が多い金融業系の会社。
それは証券・先物取引業でも例外ではなく利回りに関しては良い銘柄が多いです。
もちろん、それだけで投資をしていると業績が悪くなってしまうので分析は必要なのですが。
そんな証券・先物取引業で私が投資しているのは8473_SBIホールディングス。
どの数値を見ているのかどういった分析をしているのか、ぜひ参考にしてみてください。
目次
業界の特徴
銘柄の前にまずは業界の紹介。
証券・商品先物取引業は金融業の例外に漏れず景気敏感セクターです。
TOPIX-17のセクタ―分類だと金融(除く銀行)に属し
他の業界は保険業
【MS&ADインシュアランスグループホールディングス】保険業の高配当株【東京海上ホールディングス】 (itoken1524.com)
その他金融業
【三菱HCキャピタル】その他金融業のおススメ高配当株【日本取引所グループ】 (itoken1524.com)
などが含まれています。
金融市場における取引と投資を支える重要な分野です。
証券取引は株式、債券、投資信託、上場投資信託(ETF)、デリバティブ(オプションや先物など)、
先物取引はコモディティ(例えば、原油や金)、金融商品(例えば、株価指数や国債)といった取引方法があります。
証券取引所や金融庁などが規制や監視を行い、市場の公平性や透明性を確保していて規制には取引のルール設定、情報開示義務、資本要件などが含まれます。
テクノロジーの進化も著しくアルゴリズム取引としてブロックチェーン技術といったデジタル証券やスマートコントラクトの利用が進んでおり、取引の安全性と透明性が向上。
収益構造も多様で手数料収入やトレーディング利益といった方法があります
これらの特徴が、証券・先物取引業セクター性質であり金融市場の重要な一部として、投資家や企業に対して多くの機会とリスクを提供しています。
少し専門的な用語が多くなってしまいましたがここからはこの記事で登場する各種用語を解説していきます。
分析する項目・用語解説
続いて私が判断している企業の項目について説明します。
以下の8つ
- 売上高
- EPS
- 営業利益率
- 自己資本比率
- 営業活動によるCF
- 現金等
- 1株あたりの配当金
- 配当性向
その中でも特に営業利益率、自己資本比率、配当性向は最重要視しています。
では、それぞれの用語を解説していきます。
まずは営業利益率について。
営業利益率とは?
まずは営業利益率について
営業利益率とは「売上のうち、営業利益が占める割合」のこと。
営業利益率が高ければ高いほど、儲かるビジネスをやっていると言えるでしょう。
私が求めている成績は5%を超えること。
この根拠は経済産業省が出している企業活動基本調査で普通と優良の境目が5%であるということに起因しています。
自己資本比率とは?
次に自己資本比率について。
「企業が簡単に倒産しないか?」という安全性を判断する値ですが自己資本比率が高いほど、潰れにくい会社だと言えます。
より詳しく説明すると例えば、手元に現金100万円があると仮定しましょう。
自己資本比率とは、その100万円が「自分で用意したものか」それとも「借りてきたものか」という指標です。
100万円が全額自分で用意したものであれば自己資本比率100%、60%は自社で用意したけれど40%はどこからか借りてきたお金だという場合は自己資本比率が60%となります。
私はこの値だと最低限40%を求めており、60~80%あれば望ましいと考えています。
ちなみに中小企業庁が発行している「2019年版の中小企業白書」によると、自己資本比率40%以上の中小企業が10年以内に潰れる確率は3.5%。
これが私の設定した基準の根拠です。
配当性向とは?
最後に配当性向について。
配当性向とは「今年の利益のうち、何%を株主にキャッシュバックするか?」というもの。
これを見ることにより企業の配当金が無理している値かどうかがわかることでしょう。
配当性向70~80%にまで上り詰めると「そろそろ、今の水準で配当金を出し続けるのは難しいのではないか?」と考え始める数値になります。
イメージとしては「毎月の予算で何%を使い他人への贈り物を買って渡しているのか?」です。
配当性向が70~80%とまでなっているということは、裏を返せば自分のためのお小遣いは20~30%しか残らない状態。
つまり、自社へ自己投資の予算が少なくなってしまうといえるでしょう。
新しい設備を導入したり、新規事業に挑戦するといったことが難しくなってしまうはずです。
私はこの配当性向を30~50%と見ており、60%を超えたら注意、70%を超えると投資には適さないと判断しています。
根拠としては60%を超えた時点で今後配当金を無理してでも出すようになり、企業自体の成長性が鈍化すると考えています。
権利確定月とは?
権利確定月とは株主や配当金を受け取るために必要な株主名簿に掲載される日。
具体的には、株主としての権利が確定する日であり、この日に保有している株数に基づいて優待や配当金の受け取りが行われます。
例えば、2024年8月なら権利確定日は8月30日(金)。
この場合権利付き最終日は8月28日(水)です。
この日以降に株を購入しても当該権利は得られません。
長くなりましたが先述した8項目の内、特に気にしているのが営業利益率、自己資本比率、配当性向。
上記3項目に関して、ある程度妥協はしつつも優先して分析しています。
では2社の成績はどうなのか見ていきましょう。
8473_SBIホールディングス
このセクターにおいて投資している企業は8473_SBIホールディングスの1社のみ。
SBIホールディングスはSBIグループの持株会社で先述した各種金融サービスを提供しています。
証券業においてはSBI証券を通じて株式、債券、投資信託、ETF、FXなどの取引サービスを提供し、特にオンライン証券業界での強みがあります。
銀行業ではSBI銀行や住信SBIネット銀行を運営し、預金、融資、資産運用などの銀行サービスを提供。
保険業だとSBI損害保険やSBI生命保険など、保険関連の事業も展開しています。
フィンテック事業やブロックチェーン技術にも力を入れており銀行業務、証券業務、資産運用などに対して最新のテクノロジーを活用し、デジタル化を推進しています。
特に、SBI証券はオンライン取引でのイノベーションに取り組んでいます。
ブロックチェーン技術を利用したサービスの開発ではSBIクリプトカレンシーやSBIブロックチェーンを通じて、暗号資産関連の事業を展開しています。
国際的な展開にも積極的でグローバルネットワークの構築はアジアを中心に、欧米など国際的な市場にも展開しM&A活動においても海外の金融機関やフィンテック企業への投資・買収を行い、国際的なネットワークの拡充に努めています。
企業の規模が大きいので書いているときりがなくなってしまうためここらへんで割愛。
最後に配当利回り等の情報を載せておきます。
配当権利確定月 | 3月と9月 |
1株当たりの配当金 | 160円 |
配当利回り | 5.07% |
入金される月 | 6月と12月 |
投資する利回りの基準 | 4.04% |
では各種業績を見ていきましょう。
営業利益率
まずは営業利益率。
2010年代前半は低いものの2013年をきっかけ一気に伸びました。
その後は40%にまで上昇するほどの業績をたたき出しています。
心配しなくても良いと考えています。
自己資本比率
次に自己資本比率。
2010年代前半は高いですが後半は右肩下がり。
一般的に10%を切ると過小資本と見なされ私自身もそう思っていますが金融業界では保有している資産の大部分が現金化可能な資産であるため、低水準でも問題ないと考えています。
あくまで金融業界のみですが。
事実、金融業の自己資本比率はどの会社も10%前後と低くなっている傾向があります
加えて、SBIホールディングスは積極的な業容拡大を進めており、事業再編やM&Aによる影響も考慮すべきポイントでしょう。
配当性向
最後に配当性向について。
見ての通り安定していません。
2022年は10%、2023年は112%という実績からわかることでしょう。
SBIホールディングスの配当性向は、過去には連結配当性向30%前後を目指していましたが最近では変動しています。
2024年5月8日に公表された2025年3月期の配当予想では、親会社株主に帰属する当期純利益に対する連結配当性向を50%以上と設定。
具体的には、年間配当金は1株当たり54円40銭となる見込みですが期末配当については最終的な利益水準により上方修正の可能性がある一方で、中間配当の下方修正は予定されていません。
私も安定しないことに目をつぶりつつ増配している限りは投資し続けることでしょう。
8473_SBIホールディングスのまとめ
- 営業利益率は極めて高い。
- 自己資本比率、配当性向は業種柄安定しない、減配が2年連続したら売却。
まとめ
この記事では先物。証券取引業の高配当株として8473_SBIホールディングスを紹介しました。
業績はあまり安定しないものの配当金や配当利回りという観点から見れば極めて良い銘柄です。
私もよっぽどのことがない限りずっと持ち続けることでしょう。
投資は絶対に自己責任で行うことを心がけていただきたく思います。