日本企業だと人気の高配当銘柄が多くあり人気のセクターである素材・化学セクター。
やはり、化学業界がセクターにおいて幅を利かせており繊維やパルプ・紙の肩身は狭いようです。
しかし、分散という観点から私はこの業界にも投資をしています。
それが
- 3104_富士紡ホールディングス
- 3597_自重堂
これら2社。
どちらも高配当株というテーマからしてみればあまり取り上げられないかもしれません。
ですがこの記事では2社の良さや銘柄の特徴、私が投資している根拠をまとめていきます。
ちなみに同じセクターである化学セクターや
【花王】化学業界のおススメ高配当株4選【東ソー】 (itoken1524.com)
紙・パルプ業界についてまとめた記事は以下のリンクから飛んでいけます。
【朝日印刷】パルプ・紙業界のおススメ高配当株2選【光ビジネスフォーム】 (itoken1524.com)
目次
繊維業界の特徴
繊維業界は景気が良く金利が高い時期に発達する景気敏感株と呼ばれています。
繊維と言えば服と連想してしまいがちになりますが釣り竿、ゴルフクラブ、ラケットといったスポーツ製品。
自動車、航空、宇宙に医療と様々な分野に及んでいるのは意外ではありませんでしたか?
ちなみに筆者もせいぜいがアパレルくらいでロケットや飛行機の期待に使われているとは思いませんでした。
日本の繊維業界はどうなのかというと実際は厳しい状況。
皆さんも知っての通り海外から入ってくる安価な製品や人口減少による消費の停滞で儲かっているとはいえません。
しかしそこからの脱却を図ろうと服以外の分野、航空機や宇宙、医療の分野で打開を練っています。
その筆頭と言える企業といえばこの記事では紹介していませんが「東レ」でしょう。
炭素繊維を用いた複合材料では世界No.1のシェアを手にしています。
長くなりましたがこれが私の判断した繊維業界の現状です。
続いて私が判断している企業の項目について説明します。
分析する項目・用語解説
続いて私が判断している企業の項目について説明します。
以下の8つ
- 売上高
- EPS
- 営業利益率
- 自己資本比率
- 営業活動によるCF
- 現金等
- 1株あたりの配当金
- 配当性向
その中でも特に営業利益率、自己資本比率、配当性向は最重要視しています。
では、それぞれの用語を解説していきます。
まずは営業利益率について。
営業利益率とは?
まずは営業利益率について
営業利益率とは「売上のうち、営業利益が占める割合」のこと。
営業利益率が高ければ高いほど、儲かるビジネスをやっていると言えるでしょう。
私が求めている成績は5%を超えること。
この根拠は経済産業省が出している企業活動基本調査で普通と優良の境目が5%であるということに起因しています。
自己資本比率とは?
次に自己資本比率について。
「企業が簡単に倒産しないか?」という安全性を判断する値ですが自己資本比率が高いほど、潰れにくい会社だと言えます。
より詳しく説明すると例えば、手元に現金100万円があると仮定しましょう。
自己資本比率とは、その100万円が「自分で用意したものか」それとも「借りてきたものか」という指標です。
100万円が全額自分で用意したものであれば自己資本比率100%、60%は自社で用意したけれど40%はどこからか借りてきたお金だという場合は自己資本比率が60%となります。
私はこの値だと最低限40%を求めており、60~80%あれば望ましいと考えています。
ちなみに中小企業庁が発行している「2019年版の中小企業白書」によると、自己資本比率40%以上の中小企業が10年以内に潰れる確率は3.5%。
これが私の設定した基準の根拠です。
配当性向とは?
最後に配当性向について。
配当性向とは「今年の利益のうち、何%を株主にキャッシュバックするか?」というもの。
これを見ることにより企業の配当金が無理している値かどうかがわかることでしょう。
配当性向70~80%にまで上り詰めると「そろそろ、今の水準で配当金を出し続けるのは難しいのではないか?」と考え始める数値になります。
イメージとしては「毎月の予算で何%を使い他人への贈り物を買って渡しているのか?」です。
配当性向が70~80%とまでなっているということは、裏を返せば自分のためのお小遣いは20~30%しか残らない状態。
つまり、自社へ自己投資の予算が少なくなってしまうといえるでしょう。
新しい設備を導入したり、新規事業に挑戦するといったことが難しくなってしまうはずです。
私はこの配当性向を30~50%と見ており、60%を超えたら注意、70%を超えると投資には適さないと判断しています。
根拠としては60%を超えた時点で今後配当金を無理してでも出すようになり、企業自体の成長性が鈍化すると考えているからです。
権利確定月とは?
権利確定月とは株主や配当金を受け取るために必要な株主名簿に掲載される日。
具体的には、株主としての権利が確定する日であり、この日に保有している株数に基づいて優待や配当金の受け取りが行われます。
例えば、2024年8月なら権利確定日は8月30日(金)。
この場合権利付き最終日は8月28日(水)です。
この日以降に株を購入しても当該権利は得られません。
長くなりましたが先述した8項目の内、特に気にしているのが営業利益率、自己資本比率、配当性向。
上記3項目に関して、ある程度妥協はしつつも優先して分析しています。
では各社の成績はどうなのか見ていきましょう。
3104_富士紡ホールディングス
1社目に紹介するのは3104_富士紡ホールディングス。
績業、化学工業などの事業を行う傘下企業の管理を行う持株会社。
1950年代に設立された企業で長い歴史があり繊維産業における伝統とノウハウを持っており、その専門性は高く評価されています。
主に繊維業界での事業を展開しており、紡績、織物、染色など、多様な繊維関連の製品やサービスを提供。
特に、高品質な繊維製品に定評があります。
少しずつ繊維事業から化学薬品事業へ転換をしていて2022年では繊維業の割合が2割以下。
研磨剤事業として研磨材料の開発や製造、化学工業品事業として機能性材料、農薬、医薬品の受託生産も手掛けるほどで多角化経営が進んでいるようです。
肝心の繊維事業はというとアパレルへとフィールドを広げていますが前述のとおり縮小傾向。
環境保護や持続可能な開発に対する取り組みも重視しており、エコロジカルな製品やプロセスの導入に力を入れています。
最後に2024年8月時点での配当権利確定月等を纏めていきます
配当権利確定月 | 3月と9月 |
1株当たりの配当金 | 110円 |
配当利回り | 2.81% |
入金される月 | 6月と12月 |
投資する利回りの基準 | 2.5% |
では業績を見ていきましょう。
営業利益率
まず取り上げるのは営業利益率。
営業利益率を平均すると10%を超えるほど。
文句なしの成績と言えるでしょう。
自己資本比率
次に重視しているのが自己資本比率。
富士紡ホールディングスの自己資本比率は以下の表とグラフの通り。
これまた40%を超えており投資するにあたって最低限のラインは超えています。
60%を超えてくれたら良いのですが徐々に伸びてきているので今後に期待しましょう。
配当性向
最後に配当性向について。
これが富士紡ホールディングスにおいて最も懸念すべき投資材料であると考えています。
求める数値である30%をギリギリ超えているもののやはり水準としては低いです。
一時期は50%近くにまで登ったものの、その後落ち込んで再度上昇しているといった現状があります。
言い換えれば無理やりにでも配当金を出そうとする企業ではないようです。
この値が今後下がろうものなら売り出すでしょう
3104_富士紡ホールディングスのまとめ
営業利益率や自己資本比率はかなり良好です。
一方で配当性向が低いのでこれが今後下がる、もし区は配当金が2年連続で下がろうものなら売るでしょう。
3597_自重堂
もう一社紹介するのは3597_自重堂。
ワークウェア、ユニフォーム、セーフティシューズ、医療・介護ウェアといった衣服や靴類の企画・製造・販売を一挙に手掛けるアパレルメーカー。
耐久性や機能性に優れた作業服を提供していて生地や縫製にこだわり、長期間使用しても問題ないように作られています。
作業服だけでなく、防寒着や安全靴など、様々な作業環境に適した製品を揃えています。
業種や職場のニーズに応じて選べる幅広いラインナップからそれがわかるでしょう。
一般的にイメージされる繊維業界の企業と言えます。
服に冷却ファンが付けてある空調服が主な商品で売り上げも1位。
他の繊維企業とのつながりも強いという側面があります。
機能性だけでなく、デザインにも配慮していてスタイリッシュでありながら、作業中の動きやすさを考えた設計がされています。
作業中の安全を重視し、反射材や強化パッドなどの安全機能が備わった製品が多いこと、環境への配慮も行っておりエコ素材やリサイクル可能な素材を使用した製品も取り入れていることも外せない要素でしょう。
最後に2024年8月時点での配当権利確定月等を纏めていきます
配当権利確定月 | 6月 |
1株当たりの配当金 | 500円 |
配当利回り | 5.22% |
入金される月 | 9月 |
投資する利回りの基準 | 3.77% |
では業績を見ていきます。
営業利益率
まず見るのは営業利益率。
目標とする5%を超え毎年10%に到達するほど財務良好。
この点はありがたいと思って投資しています。
自己資本比率
次は自己資本比率。
こちらも最も高い基準として設けてある自己資本比率80%という数値を超えています。
やはり安心して投資できると言えます。
配当性向
最後に配当性向について。
年によっては上下していて100%を超える年もありましたが平均をとるとおおむね50%台前後で推移しているのがこの銘柄です。
このままの水準かもう少し下がってほしいと思っています。
3597_自重堂のまとめ
営業利益率、自己資本比率、配当性向と私が重視する項目全てにおいて高水準な銘柄である自重堂。
しかし1株当たりの株価が10000万円を超えることがザラにあるので資金に余裕があるときかつ配当利回りが適しているときに投資しています。
全体のまとめ
この記事では繊維業界における高配当株として
- 3104_富士紡ホールディングス
- 3597_自重堂
これら2銘柄を紹介しました。
素材・化学セクターとなるとどうしても化学業界の株が有名かつ人気になるのかもしれません。
ですがそこ以外にも優良な株式はあると考えています。
また、分散という観点からも同一のセクター内でも違う業界に投資するようにしています。
そして、投資は自己責任でしましょう。