日本のお家芸と言える輸送用機器、自動車業界。
私はこの業界においては2銘柄に投資をしています。
それが
- 7202_いすゞ自動車
- 7207_本田技研工業
これら2社となります。
この記事ではどこの数値を見て上記2社に投資しているのかその根拠を明確にしていこうと思います。
目次
自動車業界の状況
自動車業界は日本の産業を大きく支えている業界の一つだといっても過言ではありません。
トヨタ自動車、日産、スバル、デンソーなど日本を代表する会社が多くあります。
とはいえ大企業=高配当株投資に適した銘柄ではないということは留意しておくべきでしょう。
自動車業界は景気好況期、つまり金利が高く景気が良いときに調子が良い業界。
そして景気敏感セクターでもあります。
景気が良くなれば車を欲しくなる、買いに行こうという余裕が出てきます。
すると、消費が盛んになり自動車業の業績は上がるでしょう。
逆に景気が落ち込み消費が落ち込めば、車という嗜好品に手を出すことは難しくなり自動車業の業績は下がります
そして自動車業界は円安メリットセクター。
円安になると円の価値が下がり他の通貨の価値が上がるので輸出していった方がお金になります。
日本だと100円しか売れないものが海外だと150円で売れる、こうなったら儲けは1.5倍。
日本国内で生産→海外へ輸出、この組み合わせで運営している企業なら円安の恩恵を受けることができます。
一方で2020年からなるパンデミックにより海外への販路が断たれると内需で回す割合が大きくなり売上、利益が減ることは留意するべきでしょう。
今後は先進国よりも発展途上国の方が車の需要は増加していくのでアジア・アフリカ圏に販路を開いている会社が優勢となっていくはずです。
そして、切っても切れないのが電気自動車問題。
今後ガソリンから電気自動車にシフトしていく風潮は増していきそうです。
ですが電気自動車の低スペックさ、性能の低さも指摘されていますので今後もう少しガソリン車の需要はありそうだと考えています。
他業界・業種とのかかわりで見ればゴム製品業界とのつながりが最も強いと言えます。
以前このブログでもゴム製品のおススメ高配当株で解説しました。
【ブリヂストン】ゴム製品のおススメ高配当株 (itoken1524.com)
そして、ITや情報通信業界も車の性能が上昇するにつれて増加していくのではないかとも見ています。
長くなりましたがこれが私が判断している輸送用機器の現状です。
ここから用語の説明と分析に入っていきます。
分析する項目・用語解説
続いて私が判断している企業の項目について説明します。
以下の8つ
- 売上高
- EPS
- 営業利益率
- 自己資本比率
- 営業活動によるCF
- 現金等
- 1株あたりの配当金
- 配当性向
その中でも特に営業利益率、自己資本比率、配当性向は最重要視しています。
では、それぞれの用語を解説していきます。
まずは営業利益率について。
営業利益率とは?
まずは営業利益率について
営業利益率とは「売上のうち、営業利益が占める割合」のこと。
営業利益率が高ければ高いほど、儲かるビジネスをやっていると言えるでしょう。
私が求めている成績は5%を超えること。
この根拠は経済産業省が出している企業活動基本調査で普通と優良の境目が5%であるということに起因しています。
自己資本比率とは?
次に自己資本比率について。
「企業が簡単に倒産しないか?」という安全性を判断する値ですが自己資本比率が高いほど、潰れにくい会社だと言えます。
自己資本比率についてもっと突っ込んだことを話すと、例えば、手元に現金100万円があると仮定しましょう。
自己資本比率とは、その100万円が「自分で用意したものか」それとも「借りてきたものか」という指標です。
100万円が全額自分で用意したものであれば自己資本比率100%、60%は自社で用意したけれど40%はどこからか借りてきたお金だという場合は自己資本比率が60%となります。
私はこの値だと最低限40%を求めており、60~80%あれば望ましいと考えています。
ちなみに中小企業庁が発行している「2019年版の中小企業白書」によると、自己資本比率40%以上の中小企業が10年以内に潰れる確率は3.5%。
これが私の設定した基準の根拠です。
配当性向とは?
最後に配当性向について。
配当性向とは「今年の利益のうち、何%を株主にキャッシュバックするか?」というもの。
これを見ることにより企業の配当金が無理している値かどうかがわかることでしょう。
配当性向70~80%にまで上り詰めると「そろそろ、今の水準で配当金を出し続けるのは難しいのではないか?」と考え始める数値になります。
イメージとしては「毎月の予算で何%を使い他人への贈り物を買って渡しているのか?」です。
配当性向が70~80%とまでなっているということは、裏を返せば自分のためのお小遣いは20~30%しか残らない状態。
つまり、自社へ自己投資の予算が少なくなってしまうといえるでしょう。
新しい設備を導入したり、新規事業に挑戦するといったことが難しくなってしまうはずです。
私はこの配当性向を30~50%と見ており、60%を超えたら注意、70%を超えると投資には適さないと判断しています。
根拠としては60%を超えた時点で今後配当金を無理してでも出すようになり、企業自体の成長性が鈍化すると考えています。
権利確定月とは?
権利確定月とは株主や配当金を受け取るために必要な株主名簿に掲載される日。
具体的には、株主としての権利が確定する日であり、この日に保有している株数に基づいて優待や配当金の受け取りが行われます。
例えば、2024年8月なら権利確定日は8月30日(金)。
この場合権利付き最終日は8月28日(水)です。
この日以降に株を購入しても当該権利は得られません。
特に気にしているのが営業利益率、自己資本比率、配当性向。
上記3項目に関して、ある程度妥協はしつつも優先して分析しています。
では2社の成績はどうなのか見ていきましょう。
7202_いすゞ自動車
1社目に紹介するのは7202_いすゞ自動車。
「ど~こ~ま~でも~どこ~まで~も、は~しれ、はし~れ、いすゞのトラック。」
この曲は有名でしょう。
1937年から続く老舗ともいえる会社であり創業当時から、大型ディーゼルエンジンの開発を得意としていてトラックやバスを中心とした大型車両の製造・販売をおこなうメーカー。
車両の製造以外にも、船舶等のエンジンを製造しています。
その中でも特にトラック関連の事業がメインであり小型トラックならエルフ、中型ならフォワード、大型ならギガというように用途に分けて違う車種を販売しているところも注目するべきことでしょう。
車両のソフト面からサポ―トしようという動きもあり商用車の制御コンピュータのデータをオンラインで把握し、運行管理や動態管理をサポートするテレマティクス「MIMAMORI」が象徴的。
国内でのシェアが高く、収益力もあるメーカーとして知られていることや長い歴史のなかで培ってきた大型ディーゼルエンジンの開発においても優れた技術を持っています。
最後に配当権利確定月といった情報を纏めておきます
配当権利確定月 | 3月と9月 |
1株当たりの配当金 | 86円 |
配当利回り | 4.43% |
入金される月 | 6月と12月 |
投資する利回りの基準 | 4.18% |
営業利益率
まず取り上げるのは営業利益率。
いすゞ自動車の結果は以下の通り。
平均すると7.27%。
10%を超えるまでには至りませんでしたが下限である5%は優に超えているので投資しようと決めました。
自己資本比率
次に重視しているのが自己資本比率。
自己資本比率については一応下限とする40%を超えてはいます。
ですが本当にギリギリの値です。
配当性向
最後に配当性向について。
配当性向に関しては設定している基準を超えていません。
しかし、
- 近年の配当性向が求める基準に達してきていること
- 他の銘柄も分析したうえでそれよりも成績がいいこと
- 同じセクター・業種内で分散をさせようとするため
これらの理由から投資をすることを決めました。
他業界・業種と比較したら低いですが同一業界の輸送用機器というジャンルで見たら上の水準であると言えます。
とはいえ30%にまでは上げてほしいと思いますが。
いすゞ自動車のまとめ
- 輸送用機器の業界で見た場合上位の業績。
- 自己資本比率は投資する基準ギリギリで配当性向は基準値以下。
- 同業界内で比較した場合、良好であると言える銘柄ですので分散の観点から投資していく。
7267_本田技研工業
2社目に紹介するのが7267_本田技研工業、俗に言うホンダです。
トヨタ、日産などと肩を並べる日本を代表する輸送用機器メーカー、つまり車メーカーです。
2021年調べのオートバイの販売台数、売上高は世界首位。
自動車の販売台数は2015年度の世界7位で国内では2位。
車から離れて意外なところだと小型ジェット機(ビジネスジェット)の出荷数世界首位。
輸送用機器意外だと芝刈機ではシェア世界首位、発電機、除雪機、小型耕うん機のシェアは国内首位と輸送用機器の他にも販路を広げています。
ホンダ車の基幹技術として採用され続けているVTECエンジンだったり、軽自動車Nシリーズ系列の販売など独立独歩の精神という社風から繰り出される商品は魅力的に映る人には魅力的に見えるのでしょう。
最後に2024年8月時点における配当利回りといった情報を纏めていきます
配当権利確定月 | 3月と9月 |
1株当たりの配当金 | 58円 |
配当利回り | 3.13% |
入金される月 | 6月と12月 |
投資する利回りの基準 | 4.79% |
営業利益率
IRバンクで発表されているデータが2013年からしかないのでその時点よりまとめています。
平均して5.2%、近年は高水準な年が多いので適としました。
自己資本比率
2010~2023年の数値を平均すると39.77%。
ギリギリ求める水準には届いていません。
2020~2024年の間を見ると基準を超えているのですがその前の年代を含めたうえで平均を取ると40%を割ってしまいます。
景気敏感株である輸送用機器でこの数値は良い方。
ですが、他業界・他業種と比べると低い数値となるのは割り切りが必要となってくるかもしれません。
配当性向
配当性向に関しても本田技研工業は私の定めた基準である適正値の30~50%を逸脱。
上限の70%を超えて100%に到達してしまっています。
直近5年間は一応投資適格の基準に納まってくれているのでもう少し上がることを期待しつつ最低限この値は保証してくれることを期待して銘柄を持ち続けたいと思います。
一応、配当政策として本田技研工業は株主に対する利益還元を経営の最重要課題の一つと位置づけており、長期的な視点から将来の成長に向けた内部留保資金や連結業績などを考慮しながら配当を決定しているとのこと。
具体的には、本田技研工業の配当性向を配当金額の親会社の所有者に帰属する当期利益に対する比率として30%を目指して実施。
また、剰余金の配当は、年4回の配当を基本的な方針としているそうです。
本音としてはもう少し配当性向を上げてほしいとは思いますが。
本田技研工業のまとめ
- 営業利益率は良い値だが自己資本比率及び配当性向が定めた基準値にはない。
- 輸送用機器業界の他社と比べるとまだ良い値なので分散という観点から投資をする。
まとめ
この記事では輸送用機器の高配当株として私が投資している2銘柄
- 7202_いすゞ自動車
- 7267_本田技研工業
これら2社を紹介しました。
景気敏感セクターであるからか私の欲する基準値内に目的とする数値が納まっていない銘柄が多くあります。
その中でもまだましな銘柄として上記2つを選定しました。
今後もこの業種に関しては銘柄分析を継続し、良いと思ったものがあればすぐ乗り換える必要性があると考えています。
最後になりますが投資は自己責任で。